映画『ステップ 』

ステップ (2020) 監督 飯塚健

市内の映画館で観賞。「妻を亡くした男の子育て物語」程度の予備知識だけで観た。

私も育児には積極的に関わってきたつもりだ。仕事の両立、自己実現との両立に悩んできた。そんな自分の子育てを思い返しながら観ていた。シングルファザーの子育ての大変さを痛感するとともに、社会福祉が充実していないことにやるせなさを感じた。

しかし、この物語の主題は「子育て」にとどまらない。一人の父親、一人の娘の成長には、たくさんの人が関わっている、たくさんの支えと助けがある、ということだ。いつだって社会は弱い者の味方ではないのかもしれない。だからこそ、家族は、家庭は愛し合い、それを次の世代へ受け継いでいくのだ。

演技派を集め、安定感の中で物語が進んでいく。振幅は大きくはないが予想を上回る感動が得られます。なかでも広末涼子の演技は秀逸。彼女の演技に2度泣きそうになった。誰でも訪れる困難。それを乗り越えるためにも、万人に観てほしい映画です。