映画『すばらしき世界』

すばらしき世界 (2020) 監督 西川美和

もっと早く職場を出たかったのに、提出物の催促の電話があり、なくなく休憩時間も仕事をする羽目になった。そこからダメもとで直接、市内の映画館へ。自転車で20分間、爆走。幸い、開演10分前に到着することができた。

ホットとキャラポプでほぼ1000円。だがたまったポイントで観賞したから気にならなかった。Мってこんなに多かったのか。だが食べだすと止まらない。むさぼり食った。至福の時である。

某サイトで高評価であり、いつか必ず観ようと決めていた映画である。いい映画です。感動の振幅は大きくなく、さざ波のようにストーリーが展開します。観終わって、清々しい気持ちになるのは、主人公の真っ直ぐさと、世間は冷たいが、周囲の人々のじんわりとした温かさが、いつまでも消えないからでしょう。

彼は、あの青年に自分の姿を重ねたのでしょう。同僚からのいじめも、世間の冷たさも同じ。困難な状況でも、弱いものを守ろうとする、心の交流を図ろうとする、その姿が尊い。闘うことや、立ち向かうことだけが、尊いわけではないのですね。こうして文章にしてみて、やっと「すばらしき世界」の意味が分かりました。

鉄板の名優、役所広司。そこに橋爪功北村有起哉など演技派が脇をがっちりと固めています。感動に包まれる、というのはこういうことかもしれません。