読書『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』(名越康文)

心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」 角川SSC新書  – 2010/5/10 名越 康文 (著)

私は2年程前、心療内科を受診した。適応障害と診断され、半年ほど通院した。著者は精神科医である。そこから救われたい思いで読んだのだと思う。

~戦前の日本では、自然な形で宗教性が民衆の間に浸透していた。それをちゃんとかみ砕いて理解して、ある程度自分の日常として実践していた人、地域の気風や家の伝統や家風に根差した、生きる上での気骨のようなものをしっかり受け継いでいる頼りになる人物がおそらく随所にいた。言わば「徳のある人」~

徳のある人になりたいなあ。

宗教性と言えば、私はその2年程前から禅寺に通い、座禅を始めた。少し宗教に興味を持ち始めている。でも、生きる上での気骨ってどうやったら受け継げるのだろう。どうやったら徳のある人になれるかなあ。

~徳のある人が現世的価値とは違う心の問題、ある意味ワンランク上の価値観を語る。そしてその教えを説く人はそれなりにその価値を実践している。超越的価値。それを納得して生きている人がいてそれゆえに輝いている。~

超越的価値に対するものが以下に書かれている。

~有効な価値観として残るのはもう「スピード」しかない。「効率」や「能率」と言ってもいい。どこまでも他者との競争が続いて心の中には不安、焦りしか残らない。どこまで行っても走り続けなければいけないという感覚しかなくて身体の奥の方には均質の焦燥感がずっと続いていくような感じしか残らないんじゃないでしょうか。~

「スピード」「効率」という価値観しか残らないというのに至って納得。我々は常に煽られ、競わされ、追い立てられている。きっと私は疲れてしまったのだ。

もう、比べないし、競争しないことにした。

徳のある人に近づくために、もう一度本書を見返していこう。