読書『定年後』Ⅲ

 

ちょうど一年前、母が他界した。これでもう私の両親はいない。親よりも早く逝ってはいけないと思っていたので、なんとなく気が楽になったところがある。自分はいつまで生きられるかな。働きずくめだった休職前と比べ、自分の「最期」は一歩身近なものとなった。

~自らの人生を創造的なものにするには、やはり人生の締め切り、最期のことを勘案しておく必要がある。~

自分の人生を考え直すうえで、「明日死んでしまうのかもしれないな、だとしたら仕事に振り回されたくない」と思うようになった。

~ヘヤー・インディアンにとって最も大事なことは、「良い死に顔」をして死ねるかどうかなのである。死に顔が関心の的になる。人は発言では美辞麗句を並べることはできても、顔つきだけはごまかせない。仕事で言えば、「いい顔」をしている人から、より多くのことを学ぶことができる。自分の内面的な価値観に合った行動をしているから「いい顔」になっている。~

自分の顔つきはどうだろうか。そんなふうに気にしているうちは顔つきもまだまだなんだろう。「自分の内面的な価値観に合った行動」とは「自分に正直に」ということだろう。