読書『静思のすすめ』Ⅵ

いかにも宗教的だなあという記述。

~「貧」物を欲しがる心、評価してほしい心、「瞋」思い通りにならないと腹が立つ心、「掉挙」おだてられると図に乗る心、「惛沈」いじける心、「疑」疑う心、受け入れない心、…私たちは誰しも心の中に、この5匹の鬼を飼っているのです。~

なかなか読み方が分からず、そして打っても字が出ずに苦労した。漢字は深い。

物を欲しがり、評価をもとめ、思い通りにならないことに腹を立て、おだてられると図に乗ったり、いじけたり、受け入れない人間を想像したら、幼い子供を思い浮かべた。大人という者、成長した者は、5匹の鬼を上手に飼いならしている者だということか。

ただ一つ、五つ目の「疑う」はどうだろう。「すべてを疑え」と言っている著名者がいたと思う。

~忘れてはならないことは、人生の価値をはかるにはいくつもの軸があるということです。夫婦関係、友人、知人、趣味の世界、みな人生の豊かさを測る指標です。~

もっと早くこの言葉に出会っていれば、と思う。いや、今だからこそ、共感できるのだろう。何かを得ようとすると、その何かしか見えなくなる。あの時、なぜ、あんなに欲しがっていたのか。なぜ、あんなに意地を張っていたのか。やはり物を欲しがる心は「鬼」だ。

~心静かに思いを巡らさなければ、その苦しみから抜け出すことはできません。~

「静思」落ち着いて考えろということか。