読書『静思のすすめ』Ⅴ

子どもたちへの向き合い方がわかるところがある。

~「40分話をすれば俺の命は40分減るんだ。俺は絶対手抜きはしないよ。なぜなら手抜きをして後でちゃんとやっとけばよかったと後悔したくないからだ。たった40分くらい坊主の話を聞けないでどうする。自分の命のために生きているんだ、そのことをよく考えてほしい。」~

おそらく講演の場だろう。時間を費やすというのは、命を減らすということ。そんな考えもできるのだな。「たった40分くらい、どうする」と迫っているが、聞き手の子どもたちにとっても同じ40分だ。子どもたちの命も減る。だから、話し手は、互いに意味深い40分となるように最大限の努力をしなくてはならない。その熱意、態度が伝わるかどうか。

その点が今の教育者に最も欠けていることなのかもしれない。自分の命を削って、相手の命も削って、時間を費やしているという感覚。それだけの緊張感。切迫感。切実感。

「自分の命のために生きている」って言葉はなかなか思いつかない。きっと自分の寿命がわかったらこういう感覚になれるのかもしれない。

~大切なのはあきらめないこと。あきらめずに続けていけば必ず道は開ける。だから怖がらずに一歩前へ出ろということを伝えるのが、今の子どもたちに一番必要なアドバイスであることを再確認しました。~

あきらめないことは大切。でもあきらめないでがんばりすぎるのもどうかと。私は心が折れてしまったので、心の底から「あきらめるな」とは言い切れない。もっと考えたい。