映画『ブラ!ブラ!ブラ! 胸いっぱいの愛を』

ブラ!ブラ!ブラ! 胸いっぱいの愛を (2018)THE BRA 監督 ファイト・ヘルマー

隣市のミニシアターで鑑賞。本シアターのポイントカードを持っている。ポイントが5つたまると無料になる。本日は無料で鑑賞。

これはどこの国の、いつの時代なのだろうか。本当に現代、こんな国があるのではないだろうか。どの人も貧しい。だけど、大らかで、あけっぴろげ。わが国が恵まれすぎていると思う反面、これでじゅうぶんじゃないか、とも思う。

定年退職した主人公がブラの持ち主を探す。自分はとても貧しく寂しいのに、物を、その持ち主をとても大切に思っている。わが国であれば、よほど貴重な物でなければ、持ち主を探すなんてあり得ない。わが国は便利で豊かになったが、物を尊重する精神は失ったということだ。

先日、クラスの子が、運動場に落ちていたマスクを拾って教室に持ってきた。私は「持ってきたら、探しに戻った持ち主が困っちゃうかもよ」と言ってしまった。それにかかわるのが面倒だったのだ。その子だって、何か心配で、でも何とかしたくて持ってきたのに。私の方が「使い捨て社会」に毒されていることがよくわかった。物に対する向き合い方を考え直してもいいのかも知れない。

「小品」という名称が思い浮かんだけど、ユーモアある、心温まる作品です。