読書『静思のすすめ』Ⅳ

今回は「幸せの条件」

~時として自分の思いしか見つめられない弱さが出てしまうのが人間です。ものの見方を180度変えることによって不幸せの条件も幸せの条件に変えていくことができるのではないでしょうか。~

きのうの記述からすると、保身に走ることなく失敗しても正直に真実を明らかにすること、あせらずにゆったり心の余裕を持つこと、自分をコントロールできないほどの怒りの感情を持たないこと、ということか。

~大人と子供の分別は大人が勝手に決めたものではないでしょうか。しかし一人の人格とするならばここに差異はないのです。師匠は一人の人として子供達と付き合っていました。ここに幸せの条件の一つがある。~

よく「あの先生は自分を一人の人間として扱ってくれた」などの言葉を聞くことがある。私はそういう評価を聞いたことがない。きっと私は「一人の人として」付き合うことが苦手なのだと思う。結局、相手を尊重できるか、ということだと思うけど。

~人に悪を発生させない働きがあるとするならそれは間違いなく慈悲心だと思うのです。師匠の慈悲心はお互いに何か欠けている人間同士だというところから生まれていました。どんな相手にも弱い者同士、欠けた者同士という同じ高さの目線で接すること。これも幸せの条件の一つだ。~

慈悲とは、自分以外の他者を、慈しみ、情けをかけ、思いやるという意味。自分は到底不完全な人間だ。だから「同じ高さの目線で」というなら、心がけることができそうだ。私はどうしても「指導」というフィルターを通したくなってしまうのだ。

~真面目さ、誠実さが人の心をとらえて離さない魅力になっていたのだと思います。自分の才に溺れず勤勉に励むこと。これも大切な幸せの条件の一つ。~

~師匠の残された言葉の中に「遠い道を行く」というものがあります。目先に捕らわれず、ひたむきに歩き続ける。その道筋の中に幸せの条件がある。~

勤勉で、ひたむきに、同じ高さの目線で相手を尊重すること。心がけてみよう。