映画『ストーリー・オブ・マイライフ』

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 (2019)LITTLE WOMEN 監督 グレタ・ガーウィグ

市内の劇場で鑑賞。私は『若草物語』を読んだことはない。ただ、この作品の予告編はもう飽きるほど観ている。きっとコロナの影響で新作の封切りが次々と延期になったからだろう。予告編はこれと『ランボー』ばかりだった。

某サイトの評価は高かったり低かったりして評価が分かれる作品なのだろう。アカデミー賞受賞とあったが「衣装デザイン賞」だからあまり期待はしていなかった。

途中まで、まったく退屈な作品だった。起承転結の「起承」がとても長く感じた。なぜなら、時間軸がどんどん変わり、しかも四姉妹のストーリーが入り混じり、その一つ一つが事件と呼べるものでなくとても平坦だったからだ。中途退席も頭によぎった。

しかし、ある事件から急速に盛り上がる。そして最後は感動的なラストが待っている。ラストの感動のために、平坦なストーリーが紡がれていたのだ。原作者はそれを望まなかったようだが、やはりロマンスはなくてはならない。読者も観客も満足するのだ。

主演のシアーシャ・ローナンは、「ハンナ」「ブルックリン」などでお見かけしているが、この役にぴったりだと思う。彼女が自分の鎧を外し、素を出す表情がとても印象的だった。原作を知らなくても、前半を我慢できれば、きっと感動できます。