映画『娘は戦場で生まれた』

娘は戦場で生まれた (2019) FOR SAMA 監督 ワアド・アル=カティーエドワード・ワッツ

隣市の映画館で鑑賞。高得点であるため、自粛前からずっと気になっていた映画である。

シリア内戦の中の民衆を描いたドキュメンタリーである。アサド政権に反対する人たちが住む町が爆撃を受けるのだ。ひとまず、我が国の政権がそんな圧政をするわけでもなく、こうして日常を過ごすことができることにまずもって感謝したい。

この映画にはほとんど恐怖しかない。面白さや感動は期待しない方がいい。自分たちの国の指導者によって爆撃を受けるというのはどんな心情なのだろう。たくさんの血が流れる。たくさんの死体が並ぶ。たくさんの涙がある。指導者は何を守りたくて、こうまでするのだろうか。

原題は「FOR SAMA」である。サマは主人公の娘。娘のために、この映画を作った。娘のためにこの内戦を終わらせたいということか。赤ん坊、新たな生命が人々の希望なのだということが痛いほどわかった。子どもたちは宝であり希望。それは、呑気に暮らしている我々にとっても変わらないことだ。

世界の紛争の現状を知るためにも、平和の尊さを知るためにも、観ておくべき作品です。