読書『無名の人生』(渡辺京二)

無名の人生 (文春新書)  – 2014/8/20 渡辺 京二 (著)

『人の幸せは、生存の非情な面と裏合わせ。そのなかで「自分で自分の一生の主人であろう」としてきた孤高の思想家が語る珠玉の幸福論。』と紹介されている。

~人間、死ぬから面白い。…死ぬからこそ、今を生きていることに喜びを感じられるのです。~

でも、自分が死ぬってこと、命に限りがあることを忘れてしまうんだよね。だから、生きていること自体有難いとか幸せって思えないんだ。

~人間の生涯を幸福一色、満足一色で塗りつぶそうということ自体が所詮、無理な話です。~

そう思う。でも、人は他と比べては不幸を嘆き、不満をあらわにしてしまう。

~一個の人間が一生を通して幸せに過ごそうなどというのは、欲の皮が突っ張りすぎなのかも知れません。…すべての不幸を避けるなど不可能だといえます。不幸の種は限りなくこの世に存在していて、どうあがいても不幸は、人生に起こってくるものだからです。~

「欲の皮が突っ張りすぎ」なんて今や死語だな。満たされていて当たり前、になっている。幸せでいて当たり前、与えられて当たり前になっている。そうではない。人生はささやかなものなのだ。不幸は起こるものなのだ。それはどこかで教えられるべきことだと思う。