読書『人生はあきらめるとうまくいく』(ひろさちや)


人生はあきらめるとうまくいく (日本語) 単行本 – 2012/2/24  ひろさちや (著)

諸富氏は「大切なのは、決して人生をあきらめてしまわないこと」と言った。そして「意味と使命を実現していくのが人生だ」とも。しかし、著者は違う。

ー人生は無意味なのです。私たちは一人の人間にも、その人生にも、何か意味があると思ってしまいます。そうするとかく生きねばならないと束縛されます。無意味だと分かればどう生きたっていいでしょう。ー

どう生きたっていい、束縛されたくない、という人が、人生は無意味だと思いたいのではないか。もしかしたら、「意味を求めるもよし、求めぬもよし」なのかもしれない。

ーこれが生労病死という四苦です。人間は何のために生きているのか、何のために生まれてきたのか、という問いの答えは簡単です。苦しむために生まれてきたのです。苦しみたくないというのは、生きたくないということと同じ意味になります。「苦しむために生まれてきた」これが私のあきらめです。ー

生きるのなら苦しみをすべて受け入れろというわけだ。私たちは知らぬ間に、生きるなら楽しくて当たり前、恵まれて当たり前という感覚に陥ってる。だから、ちょっとでもうまくいかなかったら、それだけでうろたえる。それだけで感情的になってしまう。

ーにもかかわらず、すっぱかろうとなんであろうと手に入れないといけないと思ってしまう。その努力に酔いしれ、やがて疲れ切った時に投げやりになり、負け惜しみを言ってしまうのです。ー

まるで、以前の、私そのものだ。

ー日本人はあきらめる生き方ではなく、がんばる生き方しか教わってこなかったのです。困難に直面すると、いつもがんばりによってなんとかしようとする。がんばれば幸せになれると思っている。でもがんばるほど不幸になっていきます。ー

私も子どもたちにがんばることばかり要求してきた。当然のように。何の疑いもなく。