読書『少しだけ、無理をして生きる』(城山三郎)

少しだけ、無理をして生きる (新潮文庫)  – 2012/7/28  城山 三郎 (著)

滅多に読まない、文庫本。どのように入手したかも覚えていない。が、この作家の名前は知っている。大河ドラマ『黄金の日々』の原作者だ。私はここから大河にはまった。

「初心」という言葉にまず引っかかった。

~つまり、魅力を作っているのは「初心」というものなのですね。~

初心忘るべからず、というがきちんとわかっていない。

~いくつになっても、初々しい心で人て触れ合うことができる。そんな積み重ねが、人間あるいは人生を魅力的にしていくんじゃないでしょうか。~

自分はこの「初心」という言葉にあまりいいイメージを持っていない。私はそれこそ熟達を目指してきた。結果は伴っていないが。「初心」って、「不慣れ」「未熟」ということではないのか。

~初心を持ち続けるとは、どういうことでしょう。これは、自分に安住せず、自分というものを無にして、人から受信し、吸収しようとする生き方です。~

そうすると私の失敗も、また別の見え方になる。自分のやり方にこだわっていたのは、それが安住できたからなのか。自分が正しいはずと思い込んでいたら「無」になどできない。自分のやり方を発信するばかりで、受信も吸収もしていなかった。

受信することや吸収することは、いいかえれば謙虚とか、学ぶとかという姿勢なのかもしれない。ややもすると私は、自分を押し出してしまう。