読書『定年後』(楠木新)

定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書) – 2017/4/19 楠木 新 (著)

私は休職中にこの本と出会ったのだが、著者も実は休職を経験したそうだ。私は休職したことについて負い目を感じていたのだが、このことを知ったことで、ずいぶん気が楽になった。

~若い時には注目されず中高年になっても不遇な会社人生を送った人でも、定年後が輝けば過去の人生の彩は一変する。そういう意味では、人生は後半戦が勝負なのである。もちろん他人との比較の意味での勝負ではなくて、せっかく生まれてきた自らの人生を生かすかどうかの勝負である。~

私もまったく不遇な教師人生を送っている。定年延長とか言っているから、あとどれだけが定年なのかはっきりしないが、もう定年後に向けて頭を切りかえている。そういう意味でもこの本には感謝したい。

~もし会社員生活を直線的な上昇イメージの連続で捉えると、いずれ自分の老いや死の現実にたじろがざるを得なくなってしまう。逆に、上昇するイメージにとらわれなくなると、年齢を経ながら新たな自分を発見できる可能性が広がり、同僚や上司だけでなく子供や老人の素晴らしさも実感することができる。~

努力すればするほど、がんばればがんばるほど、それに見合った成果が得られると信じていた。上昇するイメージを疑わなかった。そんな思いももう転換した。もう自分は成長を求めなくていいんだ。そのぶん、新たな自分を発見できる。他人の素晴らしさも実感できる。