読書『人生の逃げ場』Ⅴ

 

「困ったときはお互い様」なんて言葉使ったことがなかったな。

ー「困ったときはお互い様」と言えるのは、自分もまた弱さを抱えた存在であることを素直に認めているからです。自己の弱さに寛容であるから他者の弱さに対しても寛容でいられるのです。ー

私は挫折した身なので、自分が弱い存在だということがよくわかっている。人間は失敗をする生き物だと、断言できる。

ー人はいつ穴ぼこに落ちるか分かりません。だから誰かが穴ぼこに落ちたのを見つけたら「困ったときはお互い様」と助けてあげます。そして自分が穴ぼこに落ちた時はには、「困ったときはお互い様」と誰かに助けてもらう。そういう社会であれば、私たちは穴ぼこに落ちることを必要以上に恐れることなく生きていくことができます。ー

ー一人ひとりが「少しぐらいお節介焼きだと思われてもいい」と開き直るしかないと思います。人と人との垣根を意識的に低くしていかないと「困ったときはお互い様」の関係を取り戻すことはできません。ー

私も穴ぼこに落ちた。それで助けてもらった。助けてもらえたから、今もこうして暮らしていられる。だから、人を助けたい、力になりたいという気持ちはある。大きなことはできないので、ちょっとずつでも力になりたいと思っている。

ー私は自分が本当に苦しんでいることについては「助けてください」と声を上げてもいいと思います。人様に迷惑をかけたっていい。そのぶんは「困ったときはお互い様」の精神で自分に余裕ができたときに、他の人にお返しすればいいのです。ー

学校でもどこでも「他人に迷惑をかけるな」って教えすぎていないか。本当に困ったときに人を頼れずに心身を病んでしまうのだ。「困ったときはお互い様」なのだ。