読書『少しだけ、無理をして生きる』Ⅱ

「建白する」という言葉が目についた。 「政府や上役などに自分の意見を申し立てること。」とある。著者はある人物について紹介している。

~とにかく今自分がここに置かれた以上、その周りのすべてを知り尽くそうとする。…それを今度は書くのです。建白する。…建白してやまないのです。その建白書には詳しいデータをつけています。…「魔」なんですね。取りつかれたように勉強し、取りつかれたように提案してやまないんです。とにかくもう書かなくてはいけない、書きたい、という気持ちに動かされているだけなんです。自分が正しいと思ったことを言いたい、というだけ。~

建白という言葉の意味を初めて知った。長く仕事についていれば、上役のやり方に何か言いたくなる。だがそれは批判や悪口、愚痴でしかない。そこで留まっていてはならない。堂々と申し立てるべきなのだ。データや根拠をつけて。

文面から、この人の勢いが伝わってくる。知りたい、書きたい、言いたい…今の自分はそんな気持ちに動かされることがあるのだろうか。情熱や衝動にかられることがあるだろうか。年を取ったで済ませていいのだろうか。

~役立てようなどと思ってやっているのではない。とにかく今置かれた場所で吸い取れる限りのものは一切合財吸い取ろうという生き方なのです。これが吸収魔ということです。~

ある人物とは、渋沢栄一である。『こんなリーダーになりたい』(佐々木常夫著)でも紹介した。渋沢に何か興味がわいてきた。ちなみに、本書の解説は佐々木氏である。この本で学んだのかな。

吸収魔とまではいかなくても、自分ももっと吸い取らなくては。自分をかたくなにしていては、無にしなければ、吸い取れない。