読書『子どもに貧困を押しつける国・日本』Ⅱ

日本は、3歳以上の子どもをケアする幼稚園でのスタッフ一人あたりの子ども数が、他国と比べても突出して最も多い。労働条件の一つである給与面でも最も低い。

多くの国では、子どもの貧困対策として、入学前の子どもに焦点をあてている。

~貧困状況にある子どもたちに対する早い時期からの教育的プログラムの実施が、子どもたちに好影響を与えてきたということを実証するものです。高校中退のリスクが下がり、IQや所得が上昇し、犯罪的な行為が減少したなどの効果をもたらした。~

我が国は、こどもをどう育てるか、というレベル以前に、預けられる場所がないのだ。

~一人の人生を考えると、乳幼児期はそれ以降のどの時期に比べても、社会的に投資するのに最も意味のある時期だ。人間のさまざまな能力や行動的な特性、またそれと関連の強い神経回路の形成や発達は、それぞれに最も獲得されやすい敏感な時期があり、それは乳幼児期に集中している。~

だが、我が国は保育園や幼稚園にここまでを期待していないのではないか。預ける場所としてしか期待していないのではないか。もっと乳幼児期の大切さが分かれば、冒頭のような条件にはならないはずだ。