読書『子どもに貧困を押しつける国・日本』Ⅲ

以下の記述も気になる。

~社会的相続を強めているし家庭内の要因として、金銭面の不平等、親が子どもにかける時間量の不平等とならんで、家庭内の蔵書の量、音楽など芸術への親和性、教育に対する親のスタンスなど文化資本の影響が大きい。これがPISAの15歳児のテスト結果に最も大きく影響している。~

日本の子どもの学力低下が言われて久しい。それに対し、教師や学校がやり玉に挙げられた。そしてゆとりから詰め込み教育、基礎基本の徹底、少人数学級、言語活動、アクティブラーニング、次々と教育施策が編み出され、その度に、教師も子どもも締め付けられている。

責任逃れをするつもりはない。だがすべてを丸投げされているのではないか。子どもを育てる場は学校だけではない。

~大学への進学は、貧困の世代間連鎖から抜け出すための最も適切な手段でもあるのです。~

~授業料だけ見れば、国立大学の私立化がなされたというべきでしょう。日本は授業料も高く、奨学金制度も利子付きの貸与型(ローン)のものがほとんどで、奨学金を受けている割合も少ない。日本を除いた先進国に私立大学はほとんど存在しない。多くの国は給付型の奨学金が充実しており、給付型による援助が皆無に近いのは日本だけ。日本は「最も大学に行きにくい国」なのです。~

今は国立大学も授業料が高くなったのか。日本以外は私立大学はほとんど存在しないって信じられないな。高い学費を払って大学へ行かせている割に、幼児教育、家庭の教育環境は不十分、要するに「学歴」だけが欲しいのかな。