読書『子ども格差』Ⅴ

そして、いじめや不登校の問題についてだ。

~日本のように何でもかんでも「競争」と「自己責任」という押しつけがなされていれば、心が病んでいくのも仕方がありません。~

常に周囲と競わされ、比べられている。劣っていることは「自分のせい」にさせられる。気の休まるところがないのが我が国の子どもたちだ。いじめ、不登校という現象は、学校教育そのものが原因だろう。

~なんでもかんでも数値目標を掲げて競争させる「成果主義」の悪影響も出ているのではないか。教師が多忙になりすぎているため、個々の子どもたちの苦悩を掴み取れないようになっている。~

わが職場も、子どもへ年に3回のアンケート、それに付随する教育相談が行われる。「悩みがあるなら聞けばいい、問題解決すればいい」という対処療法だ。なぜ根本を見ないのか。そもそもの悩みが生じないようにしようという発想はないのか。というより、アリバイづくりのためにやっているとしか思えないな。

~1998年6月、国連の子どもの権利委員会は、日本の子どもが「高度に競争的な教育制度のストレス及びその結果として(中略)発達障害にさらされていること」を懸念し、改善するように勧告していました。~

~いじめの加害者の心理は「ふざけ、ムカつき、イラつき、ストレス発散」にある。道徳心規範意識が欠如しているという問題だけでなく、心的ストレスの発散のために行われている場合が多い。~

国際機関が「この国の教育は異常である、子どもの権利を尊重していない」と批判している。それに対してスルーしている。せめて、このような勧告に対してのコメントを政府や文科省から聞きたいものである。(R4.4/21記)