読書『こんなリーダーになりたい』Ⅵ

次は渋沢栄一である。

ドラゴンズの根尾選手が父親から『論語と算盤』を勧められたというエピソードを思い出した。新札の顔にもなるらしい。著者は渋沢を「類まれなる好奇心であり全身が受信機の塊」と特徴づけている。

~渋沢は晩年に至るまでいつも自分の目の前にいる人に心のすべてを傾けて対応した。どんなときでも、どんな人に対しても、同じ態度だった。いつも初心を忘れず、自分に安住せず、人から学ぼうとする力。どんな人にも必ず良いところがあり、それを学ぼう、認めよう、引き出そう、伸ばそうという強い信念があったからだ。~

ここでも、自分は弱い、自分を底辺に置くということに通じると感じる。そうでなければ人から学ぼうとはしないだろう。謙虚というのは大切なことなのだ。自分はまだまだ未熟、と思い続けられるということだ。

論語が渋沢のあらゆる行動の起点になった。「私心を入れない、逆境は人を育てる、誠実と思いやりを大切に、自分を知る、大事と小事の扱い方、目の前の仕事に全力を尽くせ、常識とは何かー」このような論語の考え方を事業経営の基本的考え方と位置付けることによって事業の成功に結び付けた。~

我が家の玄関には「論語ひめくり」が置いてある。少しずつでもいいからふれていこう。自分が未熟だと自覚して。