読書『君たちはどう生きるか』Ⅳ

ゲーテフランス革命ニュートンパスカル…本書には私が明るくない知識が次々に出てくる。おじさんの博識さに心底驚かされる。

そういえば実家の本棚にも百科事典とか外国の作家の書物が並んでいた。所有者が読んでいたかどうかは定かではないが。もしかしたら、昭和の前半、私の父親の世代は皆が一般常識として、教養として、身につけていたのではないだろうか。情報が湯水のようにあふれる今の時代とは違い、限られた中で、人はむさぼるように知識や教養を蓄えていたのではないだろうか。
それに比べて自分はどうだ。今まで馬車馬のように働き続けるだけだった。このおじさんのように我が子に対しても何かを導くようなことができただろうか。自分のこれまでの生き方が恥ずかしくなってきた。私も今からでも努力すれば、我が子に対してできなかった導きが、せめて孫に対してはできるのではなかろうか。
自分の人生そのものさえ無限にあるわけではない。その中で使用者へ無限の労働力を提供してなどいられない。自分はもっともっと学ばなくてはならないと思っている。

~勇気を出さなけりゃあいけないんだよ。どんなにつらいことでも自分のしたことから生じた結果なら、男らしくたえしのぶ覚悟をしなくちゃいけないんだよ。考えてごらん、きみがやった失敗だって、そういう覚悟ができていなかったんだろう?いったん約束した以上、どんなことになっても、それを守るという勇気が欠けていたからだろう。~

おじさんだからこその説得力がある。