『「助けて」と言える国へ』(奥田知志・茂木健一郎)

「助けて」と言える国へ ―人と社会をつなぐ (集英社新書) – 2013/8/21 奥田 知志 (著), 茂木 健一郎 (著)

牧師さんと脳科学者の対談本です。いま、ノートを見返しているが、結構心に留まる言葉がある。

~子どもは甘えていいんです。子どもたちをここまで追い詰めたのは我々大人です。大人が「助けて」と言わないものだから、子どもも言えない。どこかで人に助けてもらうような人はだめな人だと思っているのかもしれないけど、そんなことはありません。人から助けてもらうというのは、一番の財産であり、立派な能力であり、「受援力」とも言います。~

「甘えていい」「助けてもらえ」とは、我々教員からすると、真逆の考えである。我々は子どもを自立させることが第一なのだ。自立できる子どもを育てられる教師が高い評価を得る。ほとんどの親だってそうではないだろうか。発想の転換が必要だ。
~今の社会は「しょうがないよ」「仕方がないよ」となかなか言わせてもらえないでしょう。…諦められないで、とことんやってしまって、それで病気になっている。でも、もう仕方がないという場面もときにはあるのではないでしょうか。~

「がんばれ」「負けるな」「あきらめるな」系の言葉を駆使して、とことんやらせている。でも、できないときだってある。だが、ほとんどの教師は、子どもに達成感を与えたいのだ。それ以外の教師も、「しかたがない」と思える割り切りどころが分からないのだ。
~なぜ、勉強ができないんだよと言われても、できないものはできないんでしょうがない。現代社会は他人のできないに対して不寛容になっている面がずいぶんある気がします。~

できないで一番苦しんでいるのは子ども本人だ。今だったら、「いつかできるようになるからあせるな」と言ってやりたい。