読書7-6『子どもに勉強を教えるな』Ⅷ

指導のポイントがいくつか挙げられている。まず、教えないということ。

~私がこの指導で大切にしていることは「教えない」ということです。子どもに何か質問されても安易に答えてはいけません。逆にこちらが問い返せばいいのです。そうして自分で調べたことは忘れません。~

~先生は教えてはいけません。交通整理のような役回りでしょうか。出来上がった解答の答え合わせをして正しかったらハナマルを描いて「合格!」と言ってあげる。これが主な仕事でしょうか。~

これはある程度学校教育に見切りをつけているからできるのだと思う。教えるという役目を教師に委ねているから、このような立場に居られるのだ。

そして失敗から学ばせるということ。

~子どもは失敗から学ぶのです。子どもにとって最良の先生は「失敗」なのです。子どもに勉強を教えるということは考える機会を奪い取っているのです。~

~子どもが失敗したからといって叱責などしてはいけません。子どもたちが失敗することに委縮してしまうと何にも挑戦しない子どもになってしまう。失敗するからこそ子どもたちは成長するのです。~

上述の「教えない」ともかかわっている。学校の教師は、子どもに成功体験を与えようと努める。自信を失わせたくない、自己肯定感を高めさせたい、という思いだろうか。

子どもに甘えさせないということ。

~子どもの遊びにも絶対に加わりません。先生がいるとつい甘えてきます。そして頼ってきます。これでは子どもが成長しません。~

~子どもが転んでも助けません。泣くというのは甘える対象がいるから生まれる行動です。泣く子どもを助けることはその甘えを助長させるだけです。~

子どもを突き放す。これも学校の教師ではなかなかできないだろうな。そういえば、昨日観た映画のワンシーン、野球部の練習で若手教師が『強くなれ』と叫びながら生徒をしごいていた。とかく上司は「親身になって」「子どもに寄り添って」というアドバイスをする。それでは甘やかしてばかりで、成長を妨げているのかもしれない。(R4.12/10記)