読書『逃げ出す勇気』(ゆうきゆう)

逃げ出す勇気 自分で自分を傷つけてしまう前に (角川新書) 2018/4/7ゆうきゆう (著)

著者は精神科医、マンガ家。手塚治虫のようだな。

~一度逃げるのはよいのですが、その際に①そこから何を学んだか②次はどうしようか、の2つを必ず考えるくせをつけましょう。後で勝利をもぎ取るために一時的にその場から逃げ出す―これはいわば戦略的撤退です。~

休職することになったとき、自分は逃げ出したのだ、と責めなくもなかった。その中でこの本のタイトルには勇気づけられた。

~最後に大勝すればいいだけ。生き恥を晒しても、生き続けるほうが圧倒的に意味がある。~

耐えて乗り切るという選択肢もあったと思うが、「そういう制度もあるし、権利もあるのだから行使すればいい」と自分を納得させた。親しい人も「休んだ方がいい」と進言してくれた。

~大切なのは自分の意思です。迷う余地はなく、それに従うことが絶対的な正解です。あなたは胸を張っていいのです。その選択によって別の面倒くささや苦しみをあなたは積極的に引き受けたのだから。「逃げ出す勇気」を行使したからです。~

~人間の最終目標が「命を温存すること」最終的に生きていれば勝ち。生きてさえいれば後からどうにでもなります。今いる場所から逃げ出す脚力は命を放棄するためではなく、命を温存するためにこそ使ってください。~

私は逃げ出すことによって、それまでのいろんなしがらみも止めてしまった。例えば、民間教育研究サークル。年賀状。そして広範囲の組合活動。自分の可能性、自分の能力が無限大であるかのように考えることも止めた。

もしあの時、逃げ出さなければ、どうなっていたのだろう。勝利したとも思っていないが、勝つとか負けるとかという価値観を放棄したのだと思う。