読書『君たちはどう生きるか』Ⅲ

働く、生産することへの視点が書かれている。

~ただ体を働かせて生きてきたという人たち…あの人々こそ、この世の中全体をがっしりと肩にかついでいる人たちなのだ。…世の中の人が生きていくために必要なものは、どれ一つとして人間の労働の産物でないものはない。…すべてあの人々が額に汗を出して作り出したものだ。この人々のあの労働なしには、文明もなければ、世の中の進歩もありはしないのだ。~

もう、私は、仕事に関しては理想や希望はない。それでも、私だって「あの人々」なのだ。私の労働なしに文明も、進歩もないのだ。私が文明や進歩に寄与できることを疑うことなく愚直に体を働かせていきたい。

~学問の世界だって、芸術の世界だって、生み出していく人は、その結果を楽しんでいる人より、はるかに立派な人なのだ。だから、君は生産する人と消費する人という、この区別の一点を今後、決して見落とさないようにしていきたまえ。~

主人公に生産、消費の区別を教えている。そして生産こそが尊いということも。生み出す人になれ。それが文明や進歩につながるのだ。