映画『レ・ミゼラブル』

レ・ミゼラブル (2019)LES MISERABLES 監督 ラジ・リ

「なんてことだ」観終わった直後の言葉です。

物凄い映画です。心にグサリと刺さります。『黒い司法』を観た後、軽い気持ちでもう一本のつもりで選んだのですが、これがとんでもない衝撃作でした。「あの『パラサイト』とアカデミー賞を争った」と言われているだけの問題作です。

前半はなんとなくストーリーが読めず、眠気と闘っていました。しかし、ある事件からギヤがあがる。そして一気に、クライマックスへ。瞬きもできないほどです。

フランスというと高貴で、優雅で、「白人社会」をイメージしてしまうのは、私の見識のなさなのだろう。そうではない、かの国の貧困、格差はこうもひどいものなのだ。

映画の中に救いはありません。観終わった後の観客一人一人の問題意識の中にしか救いはないのでしょう。私は、最後のテロップを心に刻み、自分に問いかけています。