読書『何のために働くのか』Ⅱ

~長い時間をかけて経済的自立を確保し、かつ世の中の貢献にもなる人生の形を粘り強く作り上げていくことである。人間は食べるためだけに生きているわけではない。~

世の中の貢献にもなる人生の形か。これが「ツトメ」なのだな。

~「ツトメ」を果たし社会を少しでもよりよりものに変えていこうと努力することで初めて我々は「賢いサル」になれる。…新しい時代や社会に対して応分の役目を果たさなければ人間はサルより賢いとは言えないのだ。~。

内容紹介には『「ツトメ」とは社会的な貢献を果しながら、自分のやりがいも得られる仕事。「カセギ」とは経済的な自立をかちとるためにする仕事。この二つを両立することが、今や非常に難しくなっている。』とある。

~その過程で使命感のようなものが芽生え、「自分はこの仕事をするために生まれてきたんだ」と思える瞬間も訪れるだろう。働くことを通して世の中や時代に働きかけ、歴史の進歩に加わること。…それが働くこと、生きることの意味ではなかろうか。~

いささか説教臭いな。

筆者は、「働くことに意味が持てない」という仕事の悩みを抱えている人に向けて述べているのだと思うのだが、なぜそのような悩みが生まれているのかは考えているだろうか。昨今の労働者は低賃金で過重労働を強いられ、やりがいを感じる余裕も将来の見通しもなくなっているのだ。そのような人々に、努力しろ、役目を果たせ、といっても通じないと思うのだが。