映画『37セカンズ』

37セカンズ (2019)  37 SECONDS  監督 HIKARI

ショッピングモールの映画館で、滅多に利用しない「通常料金」で鑑賞した。でも、金額なんて関係なく、絶対おすすめ、見逃してはいけない作品です。評価だって、アカデミー賞など数々の賞を総なめした『パラサイト』よりはるかに高いのです。

これは障害をもった少女の成長物語です。まず、ヒロインがとても素敵です。実際に障害のある子がオーディションで選ばれたそうですが終始、魅力的なのです。

また、映画や小説で使われている技法の「対比」がとても強調されています。ヒロインと母、ヒロインと友人、家のヒロインと外のヒロイン、母と商売女、母と編集長。そしてヒロインと「・・・」。各々を上手に対比させて、心に迫りくるものが多々あります。

でも、泣けなかった。クライマックスというか感動のポイントがあるわけではなくて、観終わって拍手を送りたくなるような、背中を押され励まされるような、そんな感動なのです。子どもには勧められませんが、本当に、本当に心に刺さる名作です。