読書『日本人が知らない幸福』Ⅱ

ー両親は人生の成功者だったと思っている。ここでいう成功は、社会的地位や財産とは全く関係ない。ただ「親」として成功したと思うのだ。…それでもわたしたち親子は、信頼し合い、いつも親は子に、子は親に、思いを寄せながら平凡に目立たずに、人生の苦しみを分け合いながら、共に生活していた。その点において、である。…私はただ息子として両親を静かに神の許に送れたことに対して非常に良かったと思っている。ー

私はこのような文章を読むと安心する。私は仕事では挫折してしまったが、だからといって人生を失敗したわけではないのだ。これを読むと、「家族」という社会的単位は最小であり、最大だと思う。なぜなら、家族の中で親として成功したら、人生の成功なのだから。

私は「親」として成功できるチャンスが残されている。ただ、子や孫に思いを寄せながら生活していこうと思う。成功したかどうかは、自分で決めることはできないけれども。

ーもし死ななければならない運命と相対するときには、どんな死に方であろうと、静かに受け止めたいと思う。そんな強さを持てるように願っている。そして生きているうちは運命に感謝しながら、自分の人生の主人公になりたいと思っている。ー

「この人って何て強いんだ」って思う。自分の運命を呪っていた自分が恥ずかしい。