読書『日本人が知らない幸福』(武永賢)


日本人が知らない幸福 (新潮新書) 新書 – 2009/9 武永 賢 (著)

著者はサイゴンに生まれ、難民として日本に移住し、医師として働いている。

私はこの本にとても好い印象を持っている。きっときっと日本よりもっと貧しく、そして苦しい生活をしてきたのだろう。この人の語りに気づかされることが多い。

ー人助けはできる人ができるときに行うべきだ。「人助けとは受ける人、与える人の両者ともお互いにありがとうと言えるチャンスである」ということに気づいたのだ。援助するチャンスを与えてくれてありがとう。ー

援助するチャンスを与えてくれてありがとう、って普通思うだろうか。でも、人助けって価値のあることなのだと改めて気づかされた。

ー貧富、幸不幸、運不運、美醜のすべてはその人個人の運命であり、それに関してはどうにもならない。もし願いが叶うのなら、どんな運命でも受け入れられるような強さを持つ人間にしてほしい。これがこれからの私の願いであり、目標である。ー

私は不運を憎んでしまっていた。恵まれすぎ、自分を甘やかしていたのだろう。この人は懐が深い。運命だからどうにもならない、という境地だ。運命は変えるものではない。受け入れるものなのだ。そうできるものが、強いのだ。