寅さんが好きなわけではない。劇場では寅さんを一度も観たことがない。今日が映画の日ではなかったら観なかったかもしれない。
だが、観てよかった。予想以上に面白く、感動する映画だった。高校時代の満男の恋話と現代を結びつけるなんて、寅さんシリーズでなくてはできないんだろうな。
観ていて、自分も寅さんのようになりたいと思ったが、やっぱりやめた。だが、私も娘や孫に対して、「〇〇がいてくれたらな」と思ってもらえるようにはなりたい。
観ていて監督の言いたいことが痛いほど伝わってきた。わが国には「家族」「一家団欒」「近所づきあい」というものが全く失われてしまったのだ。それは満男と恋人との対比でよくわかる。改めて、家族を大切にしなくてはならないと思った。
子役はとてもいい子だな。これからの山田洋次作品を支えていくのだろうか。でも一番輝いていたのは池脇千鶴だ。『そこのみにて光り輝く』『半世界』で心に刺さったのだが、今回もいい役やってます。