著書が世に出たのは2008年。そこから10年以上経っている。
ーただ、より自由で創造的な発想を生む教育システムを作るには国全体が多額の教育コストを負うことになります。しかも教員の給料を高くして優秀な人材を集めるとともに教育現場の自由を保障しなければいけません。ー
創造性を育むには多額の教育コストが必要だ。しかし、教育予算は先進国の中で最低。さらに今後、教員の数をもっと減らそうとしている。現場がブラック化し、教員志望者も年々減少している。そして、現場はまったく自由ではない。雑務に追われ考える余地がない。
ーITやバイオ、新しい環境エネルギーや技術革新を基本にする経済を作ろうとしたら、そういう教育が必要になります。ー
ー中長期的な視点に立って、教育というインフラ投資を続けていかなければ、その国は衰退に向かってしまいかねないことは確実です。そう考えると国際学力調査における読解力や応用力の急速な低下は深刻です。それは将来、付加価値を生む創造力そのものが衰退していることを意味するからです。ー
我が国は「今」しか考えていない。高度経済成長、バブル気分から抜けきれない。もう日本の教育は堕ちていくしかないのかも知れない。だとすると、どんな道があるのか。
こんな文面もあった。
ー日本は優秀な頭脳を海外から受け入れていかないといけません。排外的になるのではなく、逆に外国の優秀な頭脳が来ることに対する寛容さを持ち、彼らにきちんとした待遇を与えることも重要です。ー