モーリタニアン 黒塗りの記録 (2021) THE MAURITANIAN 監督 ケヴィン・マクドナルド
今日はある用事のために急いで帰らねばならない。隣市ミニシアターへはマイカーで行った。高評価の作品であり、鑑賞を楽しみにしていた。
アメリカ同時多発テロの物語である。20年以上前だが私もリアルタイムで映像を見て印象に残っている。モーリタニアというのは国名だったのだな。全然知らなかった。これでも社会科教師の端くれなのだ。
同時多発テロを受けたアメリカが「正義」、そしてテロを起こした方が「悪」という分かりやすい図式だ。そして「正義」の国アメリカは、「悪」を倒すために何をしても許されるということだ。実話なのだが、これがクライマックスか、という波がどんどん押し寄せる。そのビッグウェイブに圧倒される。どんなに真実を伝えても信じてもらえない。それは本当に恐ろしいことだと思う。自分をいくら強く持っても、虚偽の自白をせざるを得ない状況に迫られる。権力に対して個はいかに弱い存在なのだろう。
ベネディクト・カンバーバッチが『クーリエ』に続き登場。活躍してるなあ。心に刺さる映画です。(R3.12/5記)