読書9‐11『がんばると迷惑な人』Ⅵ

義務教育の頃から見せかけの意欲しか持てない

今年度受け持つ子どもとの出会いの日。ここには詳細は書かない。どうあれやれることをやるだけなのだ。勤務時間に全力を尽くし、時間が来たら帰る、それだけなのだ。仕事のストレスや悩みは、帰りのジョギングが洗い流してくれる。

~「エンゲージメント」とは自発的なモチベーション、あるいは仕事に対する積極的な姿勢。日本の指数は他の国に比べて高いどころか極端に低くなっています。~

調べたら、調査対象139カ国中132位なんて数字が出てきた。原因はたくさんあるようだ。「ワークライフバランスの問題への対処の姿勢の不足」「自ら仕事内容や勤務地を選ぶことが困難」「昇進と給与がほとんど年功序列」「失敗を厳重に警戒する傾向」「従業員を都合の良い存在と捉える」「人事異動を繰り返し万能選手を作り出している」などなど。

~次々と発表される国際比較調査の結果を見ると、いずれも日本人労働者の自発的なモチベーションは世界で最も低い部類に入っています。~

仕事に対して受け身の姿勢になっているのだ。教育機関で働いている私も、子どもを相手にして「受け身」だということは強く感じる。

~我が国の組織には頑張りを強要する装置が巧みに仕組まれています。確かに見せかけのモチベーションは上がります。しかしやらされ感にとって代わられるわけです。~

勉強も、子どもの興味と関係なく、学習する内容が細かく決まっている。おそらく全く興味が持てない内容に、それでも意欲的に取り組めるよう教員は工夫を凝らしている。それにより多少は意欲化するが、それは見せかけなのだ。学校に通う頃から、見せかけの意欲しか持てない人間が、大人になってエンゲージメントなど持てるか。(R6.4/4記)