読書9‐11『がんばると迷惑な人』Ⅶ

情意考課は意欲や能力を吸い取る評価システムなのか

昨日よりも今日。子どもたちとうまくやれたような気がした。だからと言って今日より明日がよくなるかといえばそうではない。明日を過度に期待してはいけないし、不安になることもない。日によってかわる。上下しながら成長していく。人間相手なのだから。

~採用後の社員には頑張りを引き出すための装置が用意されています。それが人事考課制度、なかでも「情意考課」と呼ばれる部分です。~

人事考課は「企業で定めた基準に基づき社員の実績や業務態度、能力を評価する制度」とあった。情意考課は「勤務態度や仕事に対する意欲を評価する仕組み。職務を遂行する際の行動や態度などを評価すること」とあった。

学校教育でも子どもへの評価は行う。確か「関心・意欲・態度」も評価項目の一つである。それは情意考課だと言える。

~このようなシステムによって引き出される意欲、能力は受け身であり、自発的なものではない。いくら潜在能力を高めても全部会社に吸い取られ、自分のトクにはならないことを学んでしまいます。当然、社員の能力向上に対する意欲は失せてしまう。~

小学校に入り授業が始まると、子どもはすぐに評価されることになる。義務教育ではずっと評価をされる。評価活動によって意欲も引き出され、その善し悪しが判定される。評価をされると、その活動に興味を失うということを聞いたことがある。義務教育を卒業するころには、子どもは評価をされることに辟易してしまわないだろうか。(R6.4/5記)