映画『市子』

愛情でしか乗り越えられない不幸がある

市子 2023年12月8日公開-125分-ドラマ/ミステリー  監督 戸田彬弘   制作国 日本

歌ボラが終わりブログを書いて隣市のミニシアターへ向かう。途中、マイカーのトランクにたまっていた段ボールを、リサイクルステーションへ片付けてしまう。思い出してよかった。

凄い、物凄い映画です。グサッと心に刺さります。この映画が会員料金で観られるなら安いものです。

ストーリーの構成が秀逸です。宮部みゆきの『火車』を思い出しました。時系列が前後して分かりづらいのですが、それはきっと作為的なものであり、真綿で締められるように核心に迫る効果になっています。そして、ヒロインの周辺人物に一人ずつスポットを当てていく。これも斬新な手法で、同様な効果を演出しています。

そして杉咲花の見事な演技力。大きなものを背負いつつ、したたかに生き抜こうとする女性を演じきっています。若葉も森永もがっぷり四つに組んで、物語を支えています。

どこにでもありそうな家庭。そしてありえそうな出来事。そこから辛い境遇になってしまった人がいる。カップルの最後のシーンを見て、泣けそうになりました。人と人とのつながりでしか、愛情でしか、それを乗り越えられないのだと痛感しました。心にガツーンと来る映画です。(R6.1/27記)