そして、バトンは渡された (2021) 監督 前田哲
ミニシアターから帰り、昼食は残り物で済ませてすぐに市内の劇場へ。迷っていたが結局本作を観ることにした。迷っていた理由は、私はよく映画の宣伝文句になる「豪華キャスト」をあまり信用しないのだ。本作も、テレビでも映画でも活躍する超売れっ子3人の起用である。
結論から言うと、感動できる良作だと思う。だがらこそ気になった点を記す。
まず懸案だった売れっ子3人の起用について。ヒロイン永野を観て『極道OL』の映画や朝ドラを連想してしまう。田中を観て「スキージャンプ」の映画を思い出してしまう。石原を観て、数々のTVドラマを食傷気味に思い出してしまう。彼らの露出の多さがどうしてもストーリーに入り込むのを邪魔してしまうのだ。田中は、その役どころからしても彼でなくてもよかった。3人のうちだれか一人がメインで、あとは名わき役の起用でよかった。
もう一つ。永野や石原の衣装が色遣いといい、形といい、おかしすぎる。特に石原は生活が苦しいのに派手なドレスばかりで違和感が残った。そういえばエンドロールで衣装協力メーカーのロゴが画面に埋め尽くされていた。
題材は、脚本は、とてもいい。私も半年前、娘を送り出したことを思い出し、心が動きました。私もバトンを渡してしまったのだという感慨に浸ることができた。そういう点では観てよかったです。(R3,11/13記)