映画『ぼくたちの哲学教室(2023)』

ぼくたちの哲学教室(2023)102分 監督    デクラン・マッグラ、ナーサ・ニ・キアナン 制作国    アイルランド、イギリス、フランス、ベルギー

出勤の予定であったが、この映画が観たくて年休に変更。自転車で隣市のミニシアターに向かう。途中コンビニでゆかりのおにぎり2つを購入し、客席に入る。

北アイルランドベルファストの男子小学校のドキュメンタリーである。私は今回初めて知ったのだが、この地にはカトリックプロテスタントの宗教紛争があり、今も壁で分断されているのだ。男子小学校の校長先生が、過去の苦い歴史を繰り返さぬように、教育実践を積み重ねているのだ。

校長先生が一つのテーマを出し、子どもが一人ずつ意見を述べていく。我が国でも数年前から話題になっている「クラス会議」そのものである。知識偏重主義の我が国が、ようやく取り入れたのだろう。特筆なのは、「思索」という、問題を起こした子どもへの校長先生の対応である。「謝罪とは?」「友達とは?」そして究極の問いは「人生とは?」。そのように問いかけ、本人の思いを文章化させ、じっくりと反省させる。きっと「クラス会議」と「思索」が両輪となっているのだろう。

校長だが、決して高級車を乗り回さない。プレスリーを愛する。そして、筋トレで体を鍛えている。私とはそう年は変わらないはずだ。たかが通勤のジョギングでいい気になってんじゃねえぞ、と言われた感じがした。もっともっと校長のことが知りたくなって、超久しぶりに、パンフレットを買った。(R5.8/17記)