読書9-2『新しい幸福論』Ⅸ

経済成長にいつまでも夢を見ていてはいけない

この日、夕方に組合の問題について話し合いを行った。その準備のために、ほぼ一日費やしてしまった。映画に行こうと意気込んでいたが、それも叶わなかった。マイナスを埋め合わせる、修復のような日。ああ、こんな日もあるのだな。

~経済成長率は、技術進歩率、労働成長率、資本成長率の合計で示される。日本経済はこのままなら負の成長率にならざるを得ない宿命にいる。~

~「有限の世界の中で幾何級数的な経済成長が際限なく続くと信じる者は狂人か、もしくは経済学者である」~

高度経済成長を経て、日本は先進国に上り詰めた。経済が成長すれば、労働者の賃金はあがる。人々の生活は豊かになる。豊かさの向上には限りがある。技術の進歩にも限りがある。生活にも、物があふれてしまった。物も、いかに増やすかではなく、いかに減らすかを考えるようになった。生活の向上を望むことと、経済成長を望むことは、同じではないのだ。

少子高齢化現象は労働人口の減少を意味する。少子高齢化の下にいる日本では制の経済成長率を望むことは困難なのである。~

家庭で2人目の大学生は学費を無料とするというのが、異次元の少子化対策らしいが、小手先感は否めない。子どもを増やせば得をするというような政策にしないと無理なのではないか。(R5.12/24記)