読書9‐1『ひとりぼっちを笑うな』Ⅴ

生きているのは死ぬのがこわいからかもしれない

今日からまた慌ただしい勤務が始まった。思うようにいかないこともあったが、まあ乗り切れたから良しとしよう。

~逃げるというと聞こえは悪いかもしれない。とはいえ、自分の中で限界が来ているようだったら、そのときは迷わず逃げていいと思う。ときには逃げ出すことも必要ですよ。逃げてばっかりはダメだけど、人生の中で何度かは、別に逃げ出してもいいんじゃないかなあ。~

私はどちらかというと逃げない人間だった。が、数年前、前の職場で仕事が上手くいかなくなって、担任を投げ出した。後は野となれ山となれ、の気分だった。やはりあの時は自分にとっての限界だったのだ。「自分は決して逃げない」なんて自負したって仕方ないと思うよ。

~肉親を失い、死んだら何も残らないことも理解できた。そこで心に誓ったんです。死ぬことだけは絶対にやめようと。それはもう「決意」に近いかもしれない。だから僕の人生のいちばんの目的は「死なないこと」です。~

死のう、死にたいと思っている人は、生きる価値を見出せずに、生きていることがつらい、死んだ方が楽と思っている人なのだろう。「死んだら何も残らない」のはわからないでもないのだが、「生きても辛い思いばかり」も理解できる。与えられた命をありがたく全うさせるのか、「逃げ」の一つとして投げ出すのか、結局決めるは本人ということか。

~死んだら自分という存在がなくなってしまうのに、自らそうしなくてもいいじゃないですか。あなたは世界で一つだけの個性です。その個性が集まって世界は作られているもの。みんながいるから面白いことや悲しいことが起こって、人生の面白さや厳しさを教えてくれる。そう感じてほしい。~

どうして自らそうしてはいけないのか。命を絶ってはいけないのか。筆者はひとりひとりの個性が大切であることをうったえている。みんながいるから、あなたも必要なのだよと。(R5.12/11記)