読書8-14『人間を磨く』(桶谷 秀昭 )

人間を磨く (新潮新書)  – 2007/5/1 桶谷 秀昭 (著)

2019年9月20日から9月24日にかけて7pにわたり視写。

著者は1932(昭和7)年東京生まれ。文芸評論家とあった。私の父より一つ年上だ。発刊した時には75歳。「深い言葉が心を洗い、つよい言葉が胸を打つ。明日の自分のために、今この一冊を」とある。今一度、視写を読み直し、人間を磨くことにしよう。

~生活の手段を越えた職業があり、それは人間にとって運命的な意味を持っている。芸術などがそれに当たるが、必ずしも芸術とは限らない。農民、職人、軍人、教師などは運命的な職業でありうる。~

教師は運命的な職業だそうだ。軍人はよく分からないが、農民、職人、教師に共通していることは個人事業主の色合いが強いことだ。「おいしいお米を追究する」「精緻な仏壇を作る」「子どもを立派な人に育てる」など、生活の糧としての労働を越えて、高い理想を持ち、仕事に打ち込むことができるのだ。だから、労働者の域を超えて、理想実現のために邁進する。それはもう労働ではなく趣味といっていいといいと思う。

私はある違和感を覚えることがある。それは、そういう趣味人が労働者の権利を主張することである。例えば自分の理想の教育をしたいために、時間外勤務解消を訴える、転任したいと訴えるというようなことに疑念を持っている。労働者としての権利を守ることこそ、労働組合の本来の姿である。労働者の権利を主張するのなら、労働者としてふさわしくあるべきだと思う。(R5.10/10記)