読書『労働法入門』Ⅵ

労働基準法32条には勤務時間について謳われている。だが、ほとんどの同僚が勤務時間を過ぎても働いている。法と実態が乖離しているわけだ。

~法と実態の乖離が日本の労働法の大きな特徴になっている。不条理な事態に直面したときに泣き寝入りしたのでは自分の権利や信念は守れない。法と乖離した実態を容認することは会社側に法は守らなくてもよい、さらには法を守っていては激しい競争に生き残れないという意識を植え付け、公正な競争の前提自体が損なわれる事態を生む。現場で働いている人たちの人間性を蝕み、結局、そのような組織や社会は長続きしないという結果に陥る。~

勤務時間など守っていてはまともな授業ができない、勤務時間など守っていては、学級運営ができない、という意識なのだろう。だが我々は公務員なので、激しい競争が行われているわけではない。勤務時間を超えても仕事をするのは、「まともな授業をしたい、まともな学級運営をしたい」という教師としてのプライド、責任感なのだ。「教師としての責任を果たす」ことと、「自分の権利を守る」こと、この2つは真反対のベクトルである。

使用者の一方的な命令で勤務時間を超えて働かされる、というのは人間性を蝕むことにつながるだろう。が、「責任を果たす」ために長時間働くことで人間性が蝕まれるとは言えない。

皆が皆、権利を侵されているわけではない。実は、勤務時間を超えたくない、と思っている者は少数なのだ。組合活動の難しさの一つはそこにある。(R3.9.8記)