読書8-10『世界一やさしい「論語」の授業』(佐久協)

世界一やさしい「論語」の授業 (ベスト新書)  – 2009/11/7 佐久 協 (著)

著者は、今話題の慶應義塾高校で35年間、国語・漢文・中国語などを教え、生徒によるアンケートで最も人気のある授業をする先生として親しまれてきたらしい。先生をしながら著書も持つなんてヤリ手の人物だったのだろう。

孔子の教えは世の中を立て直すのが目的の実践的現実的な教えで、弟子たちを叱咤激励してやまない気合の入ったものだった。~

~自己中心や自己愛こそ人間の出発点である。いつでも自分を見失わず自分を見捨てない。それがホントの自己中心であり、自己愛という意味。~

この観点はとても大切だと思う。どこの国だったか、小学校ではまず自分とは何か、「自分」という者について徹底的に教えるそうだ。我が国とは正反対だ。まず他人に合わせる、同調することを教える。

自分を見捨てない。自分を見捨てるとはすなわち自分を殺す、自殺するということだ。自殺は自分を見捨てた究極の形と言えよう。我が国では自殺者が多いのが気になる。

~自分を本気で愛してごらん。そうすりゃ愛は君を満たして君の外に溢れ出し、君は周囲の人や自然や国や宇宙を無理なく愛せるようになるんじゃよ。~

自分さえ愛せずに、他を愛せるわけがない。思いやりの欠如、自然破壊、愛国心の欠如などの原因は自分を愛せる人が足りない、自分を愛することができない人が多いということ。(R5.8/23記)