映画『オレンジ・ランプ(2023)』

オレンジ・ランプ(2023)100分 監督 三原光尋

座禅に行き、お茶を呼ばれた後、近くの住民からカブトムシを3匹いただいた。朝食後に100円ショップで虫かごとゼリーを購入。体裁を整えてから、自転車で隣市のショッピングセンター付設シネマに向かった。本作は高評価であったため、鑑賞を決めた。

監督は三原光尋。これまでの作品に知っているものはない。私よりも一つ年上。注目俳優は貫地谷しほり。おかあさん役ピッタリの安定の演技。「ずうとるび」の新井康弘を久しぶりに見た。

強い感動はないが、すがすがしい作品だ。認知症の暗いイメージをくつがえす映画だ。認知症というと母を思い出す。母も認知症を発症し、物忘れが酷くなった。薬を飲ませたが、進行を遅らせるだけ、というのも映画と同じ。一人暮らしをさせておくことはできず、本人を騙すように、施設に入れた。施設に入れてからは急速に病は進行した。やがては寝たきりになり、4年前に亡くなった。

認知症というと悲観的なイメージしかない。若年性と診断されたらさぞ不安になるだろう。認知症患者を取り巻く家族、同僚、友人たち。そのような周囲の人々の絆がテーマである。そして、認知症だから何もできないのではない。病気でも障害でも、できることはやりたいし、役に立ちたいのだ。さらに、認知症など同じ境遇の人の支え合いも必要なのだ。

今考えると、我々が母にしたことはどうだったのか、もっと他の方法があったのではないかと思わないでもない。(R5.7/23記)