映画『ザ・ホエール(2022)』

ザ・ホエール(2022)THE WHALE  監督 ダーレン・アロノフスキー

少々睡眠不足だが、朝から座禅。久しぶりに草刈り機で庭の草刈り。お昼代わりにカフェモーニングで小倉トースト。そこから車で隣市の商業施設付設シネマに向かう。

作監督はダーレン・アロノフスキー。関連作で自分が観たのは『グッド・ナース』だ。言われてみれば、なんとなく作風に共通点を感じるなあ。注目俳優はブレンダン・フレイザー。彼のことは全く知らなかったので、実在するデブの俳優が演技をしているとばかり思っていた。それくらいCGの技術が凄い。アカデミー賞主演男優賞は納得の演技だ。

題名の「クジラ」は、巨体の主人公を表しているのだろう。肥満になりすぎてしまった主人公。一歩一歩近づく終末。凄惨な、絶望の物語だった。ただ、どんなに過ちを犯しても、人を愛し、想う気持ちは変わらないものなのだ。序盤に、主人公がそらんじる文章、娘の言葉が、最後にあんな結晶になるなんて。

ラストシーンで涙腺は決壊した。泣けて泣けて仕方なかった。どうして泣けるのか分からなかった。あとでよく考えたら、主人公の娘への愛が、いかに深く、強いかが分かったからだ。ああ、これだから映画は止められない。こんなに涙を流せるのは、映画しかない。入場料よりも計り知れない、得難い貴重な体験をさせてもらった。(R5.4/8記)