映画『静かなるドン 前編(2023)』

静かなるドン 前編(2023)監督 山口健

早朝から座禅に行き、娘や孫たちのために煮物を作る。その後、喫茶モーニングに行き、自動車雑誌でまったり。そこから自転車で隣市のミニシアターへ向かった。本作は、某サイトで物凄い高評価。コメントには「邦画の歴史に残る最高傑作」とあり、期待して臨んだ。

監督は山口健人。1990年生まれ。関連作品は知らない。若いからこれからの人かも。注目俳優は寺島進。ヤクザ映画にぴったりの人だが、なんと私の2歳違い。物凄い風格だな。

おもしろいが高評価ほどではないか。予算の都合もあるだろうが、なんとなくクオリティが気になった。例を挙げれば、関東一円を治めようとしているヤクザの集会なのに、座敷が狭く薄汚い。坪倉や三宅の演技は、どうみてもコメディ。原作を知らない私は、コメディなのかシリアスなのか、路線がどのように流れるのか不安になった。

伊藤は雰囲気のある役者で、振り切った演技を魅せる。相手役の筧も魅力的。寺島、深水、本宮も渋さも際立っている。バイオレンスやスピード感もあり、展開は面白い。だが、筋が分かりにくい部分がある。あの細黒ぶち眼鏡のヤクザの行為はポイントだと思うのだが、それが回収されていない。ヤクザ映画だからこそ、筋ははっきりさせてほしい、なあんてね。(R5.6/25記)