読書『信念をつらぬく』Ⅴ

原発についての筆者の主張が書かれていたので拾い上げた。

~私は哲学の問題としてはっきりと「原発はなくすべきだ」と思っています。利益を享受している人たち(私たち自身を含みます)が、事故が起きた場合のリスクを他人に押し付けることです。もう一つ、「核のゴミ」の問題は明らかに将来世代への付け回しなのです。~

私も、東電の事故で大気汚染、海洋水汚染の問題が起きたときに、もう原発の再稼働はするべきではない、これを機に、再生可能エネルギーへシフトするべきではないかと思った。大きな自動車事故を起こしたら、もう車の運転はするべきではない、と同じ考えだ。

~ドイツは「原発が倫理的に悪であり、一方で再生可能エネルギーで道が開ける可能性があるのであればそれにかけるしかない」という判断を下したのです。倫理的に悪いことは止めるべきです。~

~エネルギー戦略会議では、原発を止めても電力不足になることはほとんどないということを明らかにしています。~

~日本では安全対策が真面目に行われないまま「原発は安い」ということになっていますが、世界の常識から外れています。原子力発電ビジネスの主力プレーヤーのイメルト氏は「原発を経済的に正当化するのは非常に難しい」と言ったそうです。つまり「原発は高い」という意味です。~

資源エネルギー庁の資料を観てみると、原子力発電はキロワットアワー当たり約10円、石炭火力発電は約12円、太陽光発電は約24円と、原子力発電が最も安いと言っている。官僚は、自分たちの試算結果を海外の専門家にも広く審議してもらうということをしないのだろうか。

ところで、原発を廃止するかしないか、代替エネルギーをどうするか、という議論だけではなく、どうしたら少しでも電気に頼らない生活ができるか、という議論も必要に思う。(R5.6/2記)