読書『民主主義はいかにして劣化するか』Ⅱ

調べたら「2019年11月20日安倍晋三氏は憲政史上最長在任の首相となった。」とあった。

~煎じ詰めれば有権者が支持しているということ。彼の独裁は国民各層に喜ばれていると言われてもにわかに反論できにくいのが現実。安倍政権は高い支持率を維持したままである。彼の暴政をむしろ国民自身が積極的に促している。だから「劣化」なんです。~

組合活動に関わる中で「現政権反対」の声をよく聞くのだが、「では、誰に政権を握ってほしいのか」と問われたら答えに困ってしまう。しかし本書の発刊の時点から、森友・加計問題、桜を見る会、コロナ対応ときて支持率を落としている気がするな。

そういえば、「世界の中で、日本人ほど政治についての話題を口にしない国民はいない」というのを聞いたことがある。日本人って、世間話はするけど、議論はしないんじゃないかな。議論が好きでもないし、得意でもない。もちろん私も含め。政治に関してはさらに顕著になる。話題にしないから関心も高まらない。

原発の問題はこいつが動いていないと電力が足りないとかローコストで効率がいいとかいう理屈とは別のところに再稼働させたい要因がある。原発を中心としたインフラシステム輸出で帝国主義的な外需依存型の経済に持っていきたい。何よりも経済成長が大事という発想は根深い。~

福島原発事故で近隣住民の故郷を奪うことになった。海水汚染の恐れがあり、風評被害が広まった。廃炉作業に20年から30年かかるという。まだまだ書き足りないたくさんの禍根を残しているのに、その反省もなく、原発を輸出したいという感覚はわからない。

「何よりも経済成長」といいながら、豊かになったという実感はない。貧富の差も広がっている。国民が選んだ首相を応援したい。しかし選挙になったら、各政党の方針や思想によく目を通し、それに託したいと思う。