映画『雄獅少年/ライオン少年(2021)』

雄獅少年/ライオン少年(2021)雄獅少年/I AM WHAT I AM  監督 ソン・ハイポン

6月1日。自称映画好きなら、この日を逃してはならない。料金高騰の昨今ならなおさらだ。20分の割り振りを取り職場を脱出、家事を少々、訪問演奏の練習をこなした後、隣市のショッピングセンター付設シネマに向かった。本作は某サイト高評価に魅かれ鑑賞を決めた。

監督はソン・ハイポン。勿論知らない。調べてみたら1979年生まれ。注目声優は桜田ひより。理由は可愛いから。後から、元中日の落合監督の息子も名を連ねていた。そういう仕事をやっているんだ。

勇気が出る映画です。高評価にも納得です。出だしの水墨画のようなアニメに惹きつけられました。最初はアニメにどことなく馴染めませんでしたが、主人公のエネルギッシュな性格、スピーディーな映像で、どんどん入り込むことができました。

題材となる獅子舞は、魔除けの意味をこめたもの。きっと昔からも「こんなことをしても現実は変わらない」と思っている者もいたと思う。それでも伝統ある行事として成立しているということは、その美しさや迫力を懸命になって追い求めることこそが、災いを追い払い、幸福を呼び寄せることにつながっているのだ、と観ながら考えていた。貧しい中でも夢を実現しようとするパワー。それを我が国の、いや、とりあえず自分自身が忘れていやしないだろうか。現状に満足しきって、なんとなく時を過ごしていては、魔を除けるどころか、招いてしまうことにならないだろうか。(R5.6/1記)