読書8‐2『傷つきやすくて困った人』(榎本博明)

傷つきやすくて困った人 (イースト新書)  – 2016/10/9 榎本博明 (著)

著者は心理学者。とてもたくさんの著書を出している。本書は、傷つきやすい人の行動の特徴をあげ、自分は傷つきやすいタイプの人には自己コントロールの方法を、傷つきやすい人が周囲にいて困るという人には対処法を、それぞれ提示するのだそうだ。

~数字になるともっともらしくなるものの、何を数値化するのかは誰かが勝手に決めるわけである。いくらでも、どんな形にでも数値化することができる。いわばどうにでも偽装できるのが数字なのである。~

本題には関係ないようだが、この文章は重要だと思う。数字には妙な説得力があるが、それに惑わされてはいけない。都合のいい数字ばかり取り上げている場合もある。

~厳しい課題を突き付けられることもなく、厳しいことを言われることもなく、我慢させられることもないまま育つ。その結果、社会に出て厳しい状況に置かれると、心が折れやすい。~

要するにぬるい環境に育っていると、いざ環境が一変すると心が折れやすいのだ。自分の環境はどうだろうか。何となく楽な方ばかり選んでいやしないか。自分を甘やかしてはいないか。職場では最古参のような年齢だ。長老のように扱われ、いい気になっていないか。

~人生は思い通りにならないことの連続であり、期待を裏切られたり、窮状に追い込まれたりするのは、しょっちゅうあることだ。ネガティブ経験が乏しいと、その都度、感情的に大きく動揺して、いらだったり、落ち込んだりすることになりやすい。~

「まさかの坂」ではないが、足元をすくわれるようなことが起こらないでもない。来るべきネガティブ経験に備えておいてもいいな。(R5.5/2記)